コンペ後にロースターと生産者でアフタートーク

コンペが終わった後、ロースターの皆様と生産者が揃っているのでアフタートークを行いました。
テーマは大会の振り返りや焙煎のアプローチ、これからのエチオピアのコーヒーについて。
生産者からのコメント

Tamiru氏:
Coffee Wrightsに投票しました。最もフローラルでインテンシティーが高かったです。

Nigusse氏:
私もCoffee Wrightsに投票しました。フレグランスが強く、スパイシーで甘い余韻がありました。

Ture氏:
私はSLOTH COFFEE ROASTERSを選びました。口当たり、バランスが良かったです。
ロースターへインタビュー

Days Coffee Roasterの白井さん 焙煎機はLUCKY COFFEE MACHINEの直火式4kg
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
白井さん:
豆のポテンシャルが高く、どう焼いても白ブドウのような果実味、甘さ、フローラルさが感じられます。複雑さを出したかったので普段お店で提供しているものよりもメイラードフェーズの時間を長くして、甘味やカラメルさを出してボディ感を高めるように焙煎しました。白や綺麗な印象に赤っぽさや茶色のイメージをプラスするような感じです。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
白井さん:
選んだのは自分のでした(笑)。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
白井さん:
参加者がエチオピアコーヒーハウスのライナップから自身で豆を選び、プロセス別に部門を分けてみたら面白そう。日本に入ってきていない、誰もまだ焼いたことのない、知らない豆をみんなで焼くのも楽しそう。
Q. 今後エチオピアのコーヒー(または弊社)に何を期待しますか?
白井さん:
オリジナルロットに期待しています。

JUNCTION Coffee Roasterの田崎さん 焙煎機はPROBAT TYPE-2 5kg
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
田崎さん:
豆のサイズが小さいこと、ポテンシャルの高さに驚きました。小さくて焙煎が難しかったですね。白桃や白ブドウのようなジューシなーフレーバーを感じたので、その甘さとバランスをありのまま伝わるように焙煎しました。メイラードの時間をいつもより長くとって、甘さとすっきりと軽やかな口当たりを意識しました。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
田崎さん:
Days Coffee Roasterさんです。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
田崎さん:
他のコンペでは参加者が好きな豆を選ぶことが多い中、課題豆があってそれを色んなロースターが焼いたものを比べられたことが楽しかったです。一つの豆をどう焼くのか様々なアプローチが見られてよかったですね。
Q. 今後エチオピアのコーヒー(または弊社)に何を期待しますか?
田崎さん:
できればウォッシュトが欲しいです。

canaanの白上さん 焙煎機はKALDI COFFEE ROASTER 1kg
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
白上さん:
実は他の大会COFFEE COLLECTIONでALO Berryで5位になりました。今回の大会のためにCoffee Wrightsさんの豆を取り寄せて飲んで、クリーンで、甘さがあって、フレーバーも豊かで理想的だと感じましたね。COFFEE COLLECTIONのフィードバックを含めて、参考にさせていただきました。焙煎の前半の時間をCOFFEE COLLECTIONの時よりも短めにして、メイラードを長めて、火力を後半にかけて弱めていった感じ。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
白上さん:
Coffee Wrightsさんです。冷めても味が落ちず、むしろさらに美味しくなっている気がします。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
白上さん:
沖縄県の離島でコーヒー屋をやっているので、交流の機会になってよかったです。ちょうど北海道でのイベントと予選の日が重なったので北海道ブロックでの参加となりました。北海道のロースターと話せたり、彼らがインスタのストーリーでポストしてくれたり、予選が終わった後でイベントに来てコーヒーを飲んでくれたりしたのがすごく嬉しかったですね。
Q. 今後エチオピアのコーヒー(または弊社)に何を期待しますか?
白上さん:
ウォッシュトが欲しい。好きなので(笑)。

Coffee Wrightsの堺原さん 焙煎機はOld PROBAT 12kg
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
堺原さん:
Murago(タミルさんの別農園)のプロファイルをベースに焼きました。硬い豆だから初期火力を少しだけ強めにしつつ、焦げないように調整。12kgの焙煎機に対して投入量3kgとやや少なめにして、7分を切るぐらいで短めに焼き上げました。クオリティの高いコーヒーは少ない投入量で短めで焼く方が味わいがブライトになる気がして好きなので。普段、お店で提供している豆と同じアプローチなのでALO Berryと自分の焙煎は相性が良かったのかなと思いました。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
堺原さん:
自分のでした。No.3とNo.6(SLOTH COFFEE ROASTERS)で迷ったのですが美味しいと思った方を選びました。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
堺原さん:
農園主が日本にきてジャッジをしてくれるのが面白い。課題豆が同じことが様々なアプローチが見られるのが良かったです。一方で、参加者が豆を選べる良さもあるので部門分けであると良いと思いました。
Q. 今後エチオピアのコーヒー(または弊社)に何を期待しますか?
堺原さん:
ウォッシュト。ALO Berryのナチュラル以外の他のプロセスにも興味がありますね。

SLOTH COFFEE ROASTERSのBakさん 焙煎機はStronghold S7X 850g
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
Bakさん:
ベリー感、丸い印象を目指して予選では7分ぐらいで焼き上げました。香りは良かったのですが甘さが足りない気がしたので決勝では8分30秒ぐらいまで伸ばしました。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
Bakさん:
Coffee Wrightsさん。No.3とNo.6(SLOTH COFFEE ROASTERS)で迷ったのですが、バランスが良くて丸い印象の方を選びました。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
Bakさん:
焼くのが難しい面白い課題豆を焼きたいです。あと予選の参加者がもっと多いと嬉しい。競技人口を増やしてもっと盛り上げたい。

LEAVES COFFEEの石井さん 焙煎機はStronghold S7X 850g
Q. 今回のコンペでALO Berryをどう焙煎されましたか?
石井さん:
ALO Berryはあまりハゼないのですが、色だけでも十分判断できるし、美味しくできてしまう印象です。いつもはOld PROBAT15kgだが今回はチャレンジしたいのでStrongholdで焼いています。
Q. どのコーヒーに投票されましたか?
石井さん:
JUNCTION Coffee Roasterさん。立体感があって、心地よく、ネガティブがなかった。やっぱりPROBATの味が好きですね。
Q. コンペの感想や次回への要望があれば教えてください。
石井さん:
プレゼンはなくてカッピングで焙煎のスキルをシンプルに競うのが良かった。さらに課題豆の生産者が訪れてジャッジをしてくれるのが素晴らしい。次の課題豆はトップオブトップのウォッシュト、または逆にロークオリティの豆をロースターの腕でどこまで美味しくできるかを競うのが面白そうだと思っています。
Q. 今後エチオピアのコーヒー(または弊社)に何を期待しますか?
石井さん:
標高の高い豆に興味があります。Tamiru氏が行っているSKY PROJECTもそうですね。
標高について

石井さんの口にした標高から話題が広がり・・・
Tamiru氏:
温暖化の影響かSidamaはこれまで標高が高すぎてコーヒーが取れなかった地域で収穫されるようになりました。ALO Berryもそれに当てはまります。エチオピアにはさらに高い地域があるので、これまで注目されていなかったエリアでも素晴らしいコーヒーが見つかる可能性があります。もちろんSidamaにもさらに標高の高いエリアはあるので、今後も期待できると思います。
Ture氏:
標高が高いと収穫量が低いことが懸念です。Uniformity(クオリティの均一性)を高めることも簡単ではありません。10年後には気温が上がり続けるとALOで今取れているUnderscreenが取れなくなる可能性(普通に育って身が大きくなる)や、さらにポテンシャルも変化してしまうかもしれません。
これからエチオピアのコーヒーはどうなる?
ALO Berryの今後に関する話から話題はエチオピアのコーヒー全体へ
石井さん:
生産者から見て、エチオピアのコーヒーはどうなっていくか聞いてみたい。
Nigusse氏:
ウォッシングステーションを経営する人が、コーヒーの苗を配り、これまで育てたことがない地域で育てられ始めています。気候変動してこれまで植っていた古い品種が育ちにくくなったエリアに適した品種に変えられ始めているのです。新しい機械の導入も進んでいるのでクオリティが今以上に高くなると思います。
Ture氏:
農園を作る人が増えており、土地に適した品種が選ばれるようになってきています。
Dawit:
Jimmaにあるコーヒーの研究機関Ethiopian coffee research centerが品種の特徴を把握し、害虫や病気に強く土地に適したものを各地に無料で配っています。COE(カップオブエクセレンス)で74158が多いのはそのためです。
Tamiru氏:
これまではトラディショナルなナチュラルやウォッシュトが多かったですが、海外の生産者と交流する機会が増えて、情報交換が行われて新しい精製方法についての知見が増えているところです。特に若い生産者は積極的に取り入れているのでプロセスが多様化すると思っています。
終わりにTamiru氏からサプライズが
