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『AMBESSA JAPAN 2024』優勝者に聞く:エチオピア産地ツアーについて

更新日:8月1日


AMBESSA JAPANで優勝されたCoffee Wrights 堺原さんを弊社主催のエチオピア産地ツアーにご招待して、現地をご覧になっていただきました。

今回はツアーの中で堺原さんが見聞きされたエチオピアの今を皆様にも共有できればと思います。

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Q. エチオピアを訪れるのは今回が初めてですか?

堺原さん:
2回目です。2023年に他社の主催するツアーで行ったのが最初でした。行きたい国を選べたのでエチオピアにしたのですが、人気だったようで3回に分けて行われたみたいです。

Q. 前回訪れた時と何か変化は感じましたか?

堺原さん:
アディスアベバ(エチオピアの首都)が2023年に訪れた時と比べて非常にキレイになっていたことに驚きました。当時は整備の途中だったのか瓦礫や建てかけのビルが多かったのですが、経済の発展を感じましたね。

一方で都市から離れると、現れる農園との格差は感じますね。着ているものや纏っている雰囲気も違ったものでした。農園同士の差はそこまでないのですが、都市部との差ははっきりしています。

前回のツアーだと「エチオピアでは十分な教育を受けることができない人もいて、コーヒーぐらいでしか働くあてがない」「農園の人も大変だから子供には継いで欲しくないという声がある」という少し影がある印象でした。

今回のツアーは、訪れる場所やコンセプトが違うのもあると思いますが、どこの農園も楽しそうでしたね。タミルさんのような人が良いものを作ってそれを正当な価格で販売が広まれば、他の農園の在り方も変わってくるのかな、と感じました。

首都のアディスアベバ、再開された街ピアッサ
首都のアディスアベバ、再開された街ピアッサ


Q. 立ち寄った農園で印象に残っているのはどこですか?

堺原さん:
やっぱりタミルさんのところがずば抜けていましたね。設備はもちろん、コーヒーにかける情熱を強く感じました。原産国であるエチオピアは何もしなくても美味しいと言われることがありますが、そこに甘んじることなく、ポテンシャルの限界に挑戦し続けている姿を見てワクワクしました。

Gedeb Halo Hartumiの農園では、子供たちが連れ立ってきて微笑ましかったですね。農園で働く親の手伝いをしているようで、生活の中でコーヒーが当たり前にあるんだなと。
左:堺原さん、右:タミルさん
左:堺原さん、右:タミルさん


Gedeb Halo Hartumiの農園の子どもたち
Gedeb Halo Hartumiの農園の子どもたち


Q. Coffee Wrightsのユーザーの方に伝えたいと感じたことを教えてください

堺原さん:
・いわゆるトップ農園について
タミルさんに区画を厳密に指定したナノロットを見せてもらったのですが、本当に小さな区画で、家庭用のダイニングテーブルほどの広さしかありませんでした。チェリーも非常に綺麗で色も揃っていましたね。実際に彼の農園を見て、彼からの説明を受けて、改めてすごいと実感したので、それを伝えたいです。

あと、Gesha Villageでオーナーのレイチェルさんと一緒にコーヒートークができたのも良かったです。(レイチェルさんは多忙のため不在が多い。) レイチェルさんはベストなタイミングで収穫をするために同じ木で10回収穫することもあると教えてくれました。あくまで自然にできているコーヒーに人がどこまで寄り添えるかを体現していてすごいなと思います。

理論的なアプローチでコーヒーを育てているタミルさんとは対照的に彼女からはアーティスティックな側面を感じました。あれだけすごいものを作っているが、あくまで自然が作るものだから、みたいなスタンスでした。本人も特殊精製はやるが、ナチュラルが一番好きだと知れたのも良かったです。次回行くことがあればGesha Villageの農園を見てまわりたいです。

エチオピアでトップクラスに美味しいコーヒーを作るタミルさんとレイチェルさんが真逆なことが面白いですね。

小さな区画で選別されるナノロット
小さな区画で選別されるナノロット


綺麗で色も揃っているALO COFFEEのコーヒーチェリー
綺麗で色も揃っているALO COFFEEのコーヒーチェリー


レイチェルさんとのコーヒートーク
レイチェルさんとのコーヒートーク


堺原さん:
・ツアー全体を通して
日本で焙煎しているだけでは見落としがちなのですが、小さな農園といってもアフリカンベッドにチェリーを運んでくる人、かき混ぜる人、たくさんの人をマネジメントしないと作れない。そんな中で人を教育して良いものを作るのは僕らが思っている以上に大変なのだと感じました。ごく少量の良いもの作るならまだしも、質を維持しながら生計が立てられるぐらいの量を作るのは、想像の何倍も難しいのだなと。

コーヒーって我々が思っている以上に何もない山の中とかで作られていて、クオリティを上げるために設備導入とか簡単に考えてしまったりするのですが、そんな簡単な話ではないと感じました。

Gedeb Halo Hartumi農園で働く人々
Gedeb Halo Hartumi農園で働く人々


Q. 今後、エチオピアツアーに参加される方にコメントをお願いします

堺原さん:
日本で商社の人から聞くのも良いのですが、実際に農園を訪れて、農園主から実際に説明を聞くのでは得るものが全く違ったことを体験できたのは良かったです。エチオピア屈指の生産者から実際に説明をしてもらえたり、現地でカップができるので購買力を高めたいロースターには良いんじゃないかと思います。

スケジュールも濃密で様々な農園を見れるし、一気に理解が進むと思います。小規模な農園だけでなく、スターバックスとかに卸している大規模なところも見れて面白いと思います。エチオピアの今を知ることができるし、これからどうなっていくのか予想できる気もするので、そういうのに関することに興味がある方にもおすすめだと思います。

一点だけ気を付けるのは、非常に標高が高くて空気が薄いからか、後半は、参加者のみんながやたら疲れて頭が痛くなっていたので、それぐらいでしょうか笑(おそらく高山病)。
ALO COFFEEオフィスでのカッピング
ALO COFFEEオフィスでのカッピング

タミルさんと肩を寄せ合うエチオピアの挨拶
タミルさんと肩を寄せ合うエチオピアの挨拶


▼堺原さんが参加されたエチオピア産地ツアーの様子



編集後記
堺原さんのインタビュー、現地でのリアルな体験を通して、改めて見えてきたエチオピアの今をお届けしました。
次回は、堺原さんが焙煎や生豆とどう向き合っているのか、お話を伺います。

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