【10周年記念企画①】ダウィット社長と振り返るECHの創業ストーリー
- 優真 高崎
- 8月14日
- 読了時間: 6分
Ethiopian Coffee Houseは2025年で創業10周年を迎えました。
大変ありがたいことに、弊社の生豆をご購入いただくお客様も年々増えており、代表のダウィットも生産地や世界各国のコーヒーイベントに赴く機会が多くなっています。
その一方で、日頃から皆さまに直接ご挨拶する機会が少なくなってきたことも感じています。
10周年という節目を迎える今、改めて創業者ダウィットの原点や思いをお伝えできればと思い、昨年収録したインタビュー動画を記事としてご紹介します。
彼の人柄、そして創業以来大切にしてきた価値観を、
この節目に、皆さまと改めて共有できれば幸いです。
Q. まずは自己紹介をお願いします。
ダウィット:
こんにちは、ダウィット・ギルマです。私はエチオピア人のコーヒー生産者であり、日本の生豆卸売業者でもあります。2008年から日本に住んでおり、2015年からコーヒービジネスを始めました。

Q. 元々コーヒーに関するビジネスをしていたのですか?
ダウィット:
実はコーヒービジネスを始める前は、メディアプロダクションの仕事をしていました。20代の頃は、映像ディレクターやカメラマンをしていました。とても楽しかったですよ。
その頃の私はラスタファリアンスタイルのファッションが好きで、髪もドレッドヘアーをしていました。(笑)

日本に来てからも数年間はメディア制作の仕事をしていましたが、働く中で、エチオピアと日本を何らかのビジネスで繋ぎたいと思うようになりました。
エチオピアと日本を結びつけるようなビジネスを探した結果、コーヒービジネスをすることにしました。エチオピアにいた頃からコーヒーとは深い繋がりがあったので、コーヒービジネスに参入することは、それほど難しいことではないと思いました。
Q. 日本についてどう思いますか?
ダウィット:
日本はとても美しい国で、素晴らしい文化があり、ユニークなライフスタイルがあります。エチオピア人である私にとっても、日本のマナーは気持ちが良いです。なぜなら、エチオピアのライフスタイルやマナーは、日本と似ているからです。だから、日本の文化とライフスタイルが大好きです。食べ物もとても美味しいですし。

Q. エチオピアのコーヒーの特徴を教えてください
ダウィット:
エチオピアのコーヒーは独特の特徴を持っています。エチオピアはコーヒーの生まれた地であり、6000種以上の異なる特徴を持つコーヒーがあると言われています。
生産に関して言えば、主に天然の堆肥を使用しており、ほとんどがオーガニックコーヒーです。そして、エチオピアのコーヒーは、強いフローラルな香りを持ち、また、フルーツのような鮮やかな酸味もお楽しみいただけます。
Q. ビジネスのコンセプトはなんですか?
ダウィット:
品質を最も大切にしています。品質に加えて、私たちはトレーサビリティに重点をおいています。エチオピアにコーヒー農園と輸出会社も持っており、そこでは地元のコーヒー農家や生産者と連携しています。また、日本には輸入・卸会社 (Ethiopian Coffee House) があり、農園から私たちの目的地まで直接繋がっています。
お客様に機会を提供することも、私たちが重要視していることです。毎年コーヒー収穫期には、お客様を私たちと深い関係性のあるコーヒー農園にご案内し、各農園でエチオピアのコーヒーがどのように生産されるかを学ぶ機会を提供しています。そうすることで、コーヒー生産者とロースターは、より親密な関係を築くことができます。

Q. 自社農園について詳しく教えてください
ダウィット:
エチオピアのイルガチェフェにあるスケ村に、小さなコーヒー農園と加工所を持っています。面積は約2.5ヘクタールで、地元の生産者と連携して赤いチェリーを供給してもらっています。また、イルガチェフェのアリチャとイディドにはコーヒー農園のパートナーがいて、優れたナチュラルとウォッシュトプロセスのコーヒーを生産しています。
Q. ロースターに提案するコーヒーはどのように選んでいますか?
ダウィット:
コーヒーの収穫期には、毎回エチオピアへ行き、生産者と協力して最高品質のコーヒーを作るために働いています。
生産後、サンプルを集めてクライアントに送り、その後一緒にテイスティングを行います。参加者の皆さんとベストな品質のものを選んだ後、輸出と輸入のプロセスを進めます。こうした全てのプロセスを、お客様であるロースターの皆さんと一緒に進めていくことを大事にしています。
Q. 取り扱うコーヒーの種類と特徴を教えてください
ダウィット:
毎年、15種類以上のコーヒーを販売しており、素晴らしいコーヒー生産者や輸出業者からコーヒーを調達しています。具体的に言うと、主に現地でのカッピングスコアが90点以上のハイエンドのものを選んでいます。
他には、グレード1の標準的なコーヒーも様々な地域から準備しています。お客様の需要に基づいて、他のグレードのコーヒーを供給することもありますね。

Q. エチオピアの輸出会社は日本にのみ販売をしているのですか?
ダウィット:
私がビジネスを始めた当初は、日本市場への直接供給でしたが、2021年頃から、アジア市場へとビジネスを拡大し始めました。そして今後は、ヨーロッパや全世界への拡大もしたいと思っています。
Q. 将来の展望を教えてください
ダウィット:
私たちは現地のコーヒー生産者と密に協力して、高品質のコーヒーを生産し、持続可能なマーケットを今後も構築していく計画をしています。また、これから国際市場でプロモーションをする機会も増やしていこうと考えています。あとは、エチオピアのコーヒーツアーのプラットフォームをより充実させ、これからもお客様とコーヒー農家を繋いでいきたいですね。
Q. あなたにとってコーヒーとは?
ダウィット:
コーヒーはもちろん、わたしにとって特別な、大好きなものです。それぞれ独自の香り、風味、味が楽しめ、また自然の恵みを感じることができる素晴らしいものだと思います。また、社会や人々を繋ぐネットワークとしても大きな価値があります。
さらにコーヒーは焙煎や抽出によって無限の反応を示す可能性があり、とても奥深く楽しいものです。
音楽やワインと同じように、コーヒーも国境を越え、世界をつなぐツールだと感じています。
だから、私はコーヒーが大好きなのです。
