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『AMBESSA JAPAN 2024』優勝者に聞く:焙煎や生豆について

更新日:8月1日


前回のツアーインタビューに続き、堺原さんに焙煎や生豆についてどう考えているかお聞きしてみました。

AMBESSA JAPANとCOFFEE COLLECTIONで2冠となった日本で一番ALO Berryを上手く焙煎した彼が難しいとされるALO Berryをどう焙煎しているのか、生豆を見る視点や抽出への考え方まで、率直に話してくれました。

AMBESSA JAPAN 2024 photo by 安田直樹
AMBESSA JAPAN 2024 photo by 安田直樹


Q. ALO Berryは焙煎が難しいという声が寄せられています。どのように焙煎されていますか?

堺原さん:
中まで火を入れなければいけないけど、粒が小さいので焦げやすいのが難しいところです。僕は前半でがっつり火を入れるのですが、火力を下げるタイミングと焙煎のトータルタイムに気をつけています。焙煎時間が長くなるとバランスは取れるけど個性は薄まるし、短すぎると個性が発達し切らない。その際を見極めるのはポイントでしょうか。

Q. 焙煎が上手くなるためには、まず何をしたら良いでしょうか?

堺原さん:
自分はよくカッピング会に行ってましたね。Finetime Coffee Roastersでやっていたのにお邪魔して、色んな声を聞いて、これが「美味しい」なんだと理解を深めていきましたね。コーヒー好きな人が集まるので、世界中のロースターの豆を参加者で持ち寄ってました。海外に旅行に行って、そこで豆を購入したので持ってきました、みたいな感じで。

有名ロースターのものでも、美味しくないものは美味しくないとはっきりコメントが出ていたシーンもありました。カッピングの場で良くも悪くも正直にいう人が多かったんです笑。味が取れる人とカッピングしないと味覚を設定するのは難しいと思います。最初のうちに美味しいを知るのは大事かと。

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Q. 食事に気をつけて味覚を整えるみたいな話を聞きますが、いかがですか?

堺原さん:
普段から食には気をつけていないですね。笑

Q. 生豆選びの時のポイントを教えてください

堺原さん:
買い付けって難しいですね。カッピングした時はイマイチでも購入されたロースターさんが焙煎したものを飲んで美味しい時もあります。ここならではの味みたいなのがあると買いたくなりますね。極端な例だとエルパライソみたいな。好みもありますが、この味!と思えるのは良いです。

中南米と違ってエチオピアみたいなアフリカのコーヒーは個人の農園ではなく、エリア名が同じでもエクスポーターによって違うウォッシングステーションを指している時があるので、そこが農園まで特定できるようになると良いですね。個人的にはエクスポーターで選ぶのが良い気がしています。
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Q. エチオピアのコーヒーに求める要素を教えてください

堺原さん:
デイリーであってもおいしさは欲しいですね。味が濃い、キャラが立っている。産地だとSidamaやGujiのナチュラルみたいな感じの、いわゆるエチオピアっぽくないものを出したいと個人的には思っています。デイリーからそういうものを届けたいです。

スペシャルなものでもナチュラルが好きです。特殊精製もタミルさんの作るものはコーヒーのチェリーを使っているので、あくまでコーヒーの素材を活かしたものなので良いなと思います。

Q. 抽出についての考え方を教えてください

堺原さん:
せっかくなら焙煎が浅い分、抽出はオーバー気味にした方が良いかなと。綺麗な味をめざしすぎて悪いところ消そう、消そうとしすぎると良いところまで薄まって、結局ぼんやりした味になってしまうんじゃないかなと思ったりします。そこのバランスが難しいですよね。

エチオピアのコーヒーセレモニーのようなコーヒーだって、その場で鉄板の上とかで焙煎して、すぐに粉にして、熱湯で抽出したものを飲むという原始的な飲み方をします。いつも私たちが飲むスペシャルティと同じ基準で評価すると良くない味もあるけど、それ以上にエネルギッシュな味がして、なんというか良いなと思いますね。多少の欠点も覆す根源的な良さがあります。



Q. 今、気になっているお店はありますか?

堺原さん:
直火式の焙煎機を使用しているお店が気になっています(Coffee Wrightsは半熱風の焙煎機を使用されています)。TownsfolkやCoffeedotなど。半熱風や完全熱風が多く、電気が増えている中あえて直火なのは良いですね。ルワンダチャレンジ#1(Onibus COFFEE主催のコンペ)に参加したロースターの豆をカップする機会があったのですが、Townsfolkは飛び抜けてキャラが立っていました。Coffeedotは2023年のCOFFEE COLLECTIONのナチュラル部門で優勝、2024年のJCRCで2位になっていてシンプルに焙煎が上手いんだろうなと思うので、この2店舗が気になっています。

Fuglenはどの店舗も好きですね。シンプルに内装が好きです。登戸のロースターは建物の屋上に行けて、そこから多摩川が見渡せて気持ち良いんです。あとは地方のロースターも良いですね。流れている時間が違う気がします。九州に行くことが多いのですが熊本のGluckはお店の雰囲気とか好きですね。

Q. 今後の目標を教えてください

堺原さん:
小さめの焙煎機が欲しいですね。10kgしかないロットに対してうちの焙煎機だと1回最低3kgは入れないといけない。これまでやってきた経験から、変なものはできなけど、もう少し向き合いたいなと。3回しか焼けないし、一度に出来上がる量も多いから。こまめに焼いて自然に売り切りたいです。豆のセレクトは変えずに、焙煎の試行数を増やしてコーヒー豆と向き合いたいと思っています。せっかくAMBESSA JAPANとCOFFEE COLLECTIONで優勝したので笑。


編集後記
現地での体験を経て、豆の背景や生産者の姿をより深く理解された堺原さん。
焙煎や抽出、生豆の選び方に対する考えにも、その視点がしっかりと反映されているのが印象的でした。
そんな彼が昨年優勝したAMBESSA JAPAN Roast Competitionは、今年も開催予定です。
生産者の思いや豆の個性に向き合いながら、自分なりの焙煎を追求してみませんか?
今年もたくさんのご参加をお待ちしています!

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